昨年10月に全世界配信デビューしたTravis Japanが、デビューツアーを完走した。リーダーの宮近海斗(25)が2週連続インタビューで、デビューへの契機となった米国留学、異国で触れたメンバーの新たな一面、そして自身が抱くリーダー論とグループの未来を語った。

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 ソファに並んで腰掛け、斜め横から聞こえる宮近の声は、とても穏やかだった。「とても楽しかったし、たくさん得るものがあった」。取材日は、ちょうどデビューツアーから1週間後。「遠く離れた地でデビューを発表させていただいて。その喜びや、今後の展望といった意思表示を直接伝えることができた。達成感がありましたし、ライブも楽しかったし、たくさん得るものがあった」。うなずきながら続けた。「でも、一番は無事に終わったことですね」

 デビューの契機となった“武者修行”。22年3月に渡米。約7か月間、ロサンゼルスで語学の勉強、ダンスレッスン、ボイストレーニングに明け暮れた。技術のスキルアップと同時に、共同生活を始めた。

 「リビングのほかに、部屋が4つあって。部屋割りはローテーションしていましたけど、僕は1人部屋になったことがなくて」

 一軒家でメンバー7人のみの共同生活。食事も洗濯も全て自分たち次第。7か月間で、それぞれのメンバーの新たな一面も発見した。

 「中村海人は、積極的にイングリッシュコミュニケーションを図っていましたよね。それまでは割と落ち着いていると思っていたんですけど、積極的に交流を図っていた」

 「七五三掛は、もともとマイペースなんですけど、自分のルーチンをより築いていました。夜寝る前にティータイムしていたり(笑い)。すごい、面白いと改めて思いましたね」

 「(川島)如恵留は、休日になると早起きして。掃除したり、上半身裸でゲームのエクササイズをしたりしていて。謎のスイッチがありましたね」

 「(吉澤)閑也は、なんだろうな。ずっと寝ていましたね(笑い)。同部屋が多くて。ベッドが大好きなのは知っていましたけど、本当に好きなんだなって。ずっと寝ていましたね」

 「松田は、意外とおおざっぱかと思いきや繊細。毎朝、ベッドメイキングしている姿には驚いた」

 「松倉は、どこでも眠れる(笑い)。ソファがあったんですけど、そこで眠っていたり。自分の住み家を作っていましたよね」

 メンバー同様、宮近自身にも変化が生まれた。

 「日本では家で過ごしたくなるタイプだったんですけど、向こうは家で過ごしても何もなかったし、日光も強くてね(笑い)。家にいると時間が長く感じるので、散歩をしたり、出かけたり。玄関(の敷居)を越えるハードルが低くなりました。帰国してからも散歩したり、この間の休みは、(松田)元太と旅行にも行きましたね」

 メンバーの新たな一面にも触れたが、24時間ひとつ屋根の下の共同生活。「いくらメンバーといえど、今まで一緒に生活したことはなかったですし、一人の時間もなくなる。誰かがトイレに入っているすぐ横で歯磨きをしたり。裸も見ますし、食事も自分たちで用意しないとない。だからこそ確実に何か起こるとは予想していました」。ささいなことからもめることも少なくなかった。だが、宮近は一度もケンカすることはなかった。「もめることやケンカすることを避けてきた人生で」。そこに、宮近海斗の流儀がある。(ペン・田中 雄己)=後編につづく=

 ◆宮近 海斗(みやちか・かいと)1997年9月22日、東京都出身。25歳。2010年10月に入所。12年にTravis Japanのメンバーに選ばれ、22年に「JUST DANCE!」で全世界配信デビュー。メンバーカラーは赤。血液型O。

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