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田畑竜介Grooooow Up
スマップテレビ局出禁解雇クビ忖度騒動炎上
15年間在籍したスマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で終了になりました。私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です。私をスマイルに誘ってくださった山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です。今までのサポートに感謝します。バイバイ!
まずは記者会見を。企業の不祥事は数あれど、文書と自社動画だけで謝罪を済ませた例はどれくらいあるのか。「エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て」る覚悟がおありなら、ジュリーさん、これを機に膿を出しきりませんか。才能ある所属タレントの未来を守るためにも。
昨夜(14日)9時に、ジャニーズ事務所が性被害の度重なる告発に対して、藤島ジュリー景子社長が動画と文書で公式見解を発表しました。
まず評価すべき点は、ジュリー社長が顔を出したということです。歴代の事務所トップだった母親のメリーさん、そして叔父にあたるジャニーさんは、表に顔を出さないという姿勢を貫いていました。
ジュリー社長はドラマ『3年B組金八先生』などに出演していた女優でした。20年ぐらい前になりますが、NEWSというグループがデビューするとき、私は打ち合わせに出たり、その後、曲を提供したりしているので、ジュリー社長とは面識がありましたが、今回久しぶりにお顔を見ました。
話を戻しますが、ジュリー社長が、自分の言葉で語ったことは、これまでのジャニーズ事務所の対応からすれば、ずいぶんと大きな一歩だと思います。また「大きな落ち度があった」「問題がなかったとは思っていない」といった発言がありましたが、そこも今までの事務所の姿勢とは全くベクトルが違うところに来ていると感じました。
ただ、そういった発言が、このタイミングになったということに関しては、もやっとした気持ちはあります。
BBCの報道で動き出した
これまでの経緯を振り返ります。今年3月にイギリス・BBCで、ジャニーさんの性加害問題を告発する番組が放送されました。それを受ける形で4月に元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが記者会見を開き、「週刊文春」の紙上でも元所属タレントたちが発言しています。
今月に入ると、ジャニーズファンの有志が、性加害の検証を求める1万6000筆の署名を事務所に提出しました。表現としてふさわしいかどうかわかりませんが、こういったことに少しずつ背中を押される形で、ジュリー社長は引っ張り出された、という感じですね。
自社サイトで動画・文書を発表するのではなく記者会見を
昨夜の公式見解発表直後に、私が投稿したツイートには、今朝までに「いいね」が約3,000件ついていました(午後3時の時点でインプレッション45万件以上)。その投稿内容を改めてお伝えします。
5月14日のTwitter投稿
まずは記者会見を。企業の不祥事は数あれど、文書と自社動画だけで謝罪を済ませた例はどれくらいあるのか。「エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て」る覚悟がおありなら、ジュリーさん、これを機に膿を出しきりませんか。才能ある所属タレントの未来を守るためにも。
ここは記者会見を開くべきでしょう。不祥事を起こした企業が、文書と自社サイト内の動画だけで謝罪を済ませた例は、私が知る限りほとんどありません。有名企業であればなおさらです。
ジュリー社長の見解には「エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て」というフレーズがありましたが、動画と文書による発表では、観測気球を上げただけではないか、という印象が私にはありますね。
一般企業であればとっくに詰んでいる
ファンの思い、そして所属タレントの未来を守るために今、するべきは、膿を出し切ることでしょう。その先に、会社が解散になるというシナリオがあったとしても、またやり直せばいいじゃないですか。才能のある人は移籍してもいいし、(経営陣は)改心して再組織化してもいい。
いまコメントしていることは「疑わしきは罰せず」という事実認定の考え方から踏み込み過ぎているかもしれません。ただ、今回の疑惑について芸能界以外の一般企業の論理で言えば、もうとっくに「詰んでいる話」です。
“被疑者死亡”というところで逃げ切るのも無理があるし、何よりも公式見解の文書を読んで感じたことは、ジャニーズ事務所に社会的責任が欠けている、ということです。ここが欠けているから、全て空疎に思えてしまうのです。
公式見解の要点は「4つのNO」
事務所が発表した文書を、私は何度も読み直しました。その要点は4つあると思います。①記者会見はしない、②事実認定をしていない、つまり性加害をきっちりとは認知していない、③第三者委員会の設置を否定している。その理由は、現および元所属タレントを守るためだというふうに言っていますが、私から見れば事務所の保身ではないかという疑いを捨てきれません。④経営陣の引責辞任に関しても否定。
つまり「4つのNO」ですね。記者会見はしない、事実認定をしない、第三者委員会は設置しない、引責辞任もしない、と。これで納得する人がいるでしょうか?
これは日本社会全体が抱える膿
私は、今回の疑惑を放置することは、ジャニーズ事務所だけの問題じゃないと思っています。一番の弊害は、今回の報道やマスコミの有り様を見た子供たちが、もし性犯罪・性暴力の被害者になったとき、「声を上げても無駄だ」という諦めの気持ちになるかもしれないことです。疑惑を放置することで、社会全体が諦めの気持ちを子供たちに植え付けかねないのではと怖れを感じています。
メディア、広告業界、芸能界だけでなく、みんながこの問題を直視しない限り、性加害や性暴力は、この先もなくならないでしょう。音楽業界に身を置く私も正直つらいです。ましてや、こういう世界に憧れたことがある、あるいは憧れている家族がいる、といった人たちも胸を痛めているはずです。
私たち一人一人が、この国が抱える問題として当事者意識を持ち、みんなで膿を出すというところに、舵を切るべきじゃないでしょうか。
音楽業界、芸能界で仕事をしている私が今、ここでこういう発言をしていることの意味について、察していただければと思います。ジャニーズ事務所のタレントと直接連絡を取ることもある立場にいます。彼らと番組で共演する機会も多いことをご存知の方もいるでしょう。私はタレントを守りたい。その立場でお話しさせていただきました。
ジャニーズ事務所社長の動画公開から1週間
先週もこの番組でコメントしましたが、ジャニーズ事務所が見解を発表したあとの1週間について、今朝は時系列を追いつつ、僕の見解を添えたいと思います。
まずおさらいします。先週僕は、藤島ジュリー社長の謝罪動画と文書での見解発表を受けて、創業以来の「トップは表には出ない」という事務所の方向性を変えて顔を出したことは評価する一方、自社サイト内で動画と文書で回答を掲載しただけでは十分ではないと話しました。
加えて、記者会見をすべきだし、第三者委員会も必要ではないかとも話しました。それから1週間、いろんな動きがありましたね。
NHK『クローズアップ現代』が民放の報道姿勢に疑義
5月17日、NHKの『クローズアップ現代』が、“誰も助けてくれなかった”というタイトルで、ジャニーズと性加害問題を特集しました。かつて事務所に所属していた方の新たな証言もあったし、コメンテーター(松谷創一郎氏)はフジテレビとテレビ朝日を名指しして、民放テレビ局の報道姿勢に疑義を呈しました。
NHKの番組で民放局が名指しで批判されることは珍しいと思います。でも裏を返せば、この問題は一事務所の不祥事で済まされるものではなく、それを報じるテレビ、さらにメディア全体のあり方が問われていると痛感するできごとでした。
近藤真彦「もう知ってるでしょ」
近藤真彦さんが、大分県日田市で開かれるフォーミュラカーレースのPRで、大分県庁に表敬訪問したときの囲みの会見で、「もう知ってるでしょ、隠しごとなしに正々堂々と話さないと、みなさん納得しないでしょ」と話していましたね。近藤さんはジャニーズの“長男”として40年ほど君臨していたわけですが、その立場でのあの発言は藤島ジュリー景子社長への呼びかけですよね。
これはかつて近藤さんとジュリー社長が『3年B組金八先生』でクラスメートとして共演していたことを考えると、しみじみとしてしまう話でした。
この国全体で膿を出すべきフェーズに
でも、実際にジュリー社長に面と向かって何かを言える人はいないんだろうなという、彼女の孤独も想像してしまいます。ただ、裸の王様ならぬ裸の女王みたいな経営者に同情するにしても、日本を代表するエンタメ企業のトップとして、今の姿勢は疑問です。ご自身の影響力をもっと考えてほしいと思います。
「創業者がワンマンで、ゆえに会社も大きくなったんですが、変なルールが残っていましてね」みたいな会社があるでしょう? そういうことはどこにでも転がってる話だと思います。もしかしたら「うちの父親がそうだ」という人が、リスナーの中にいるかもしれませんね。でも、正すべきところは正しましょう。先週話したように、やっぱりこの国全体で膿を出していくというフェーズに入っているんじゃないでしょうか。
東山紀之「後輩たちに待ってもらった」は報道の自由の侵害
21日の朝、テレビ朝日の報道番組『サンデーLIVE』でキャスターをしている東山紀之さんが、2分近くにわたってコメントをしました。かなり練り上げられた文章でしたね。
先週、事務所から喜多川氏に関する公式見解が出されましたので、私自身の考えを伝えさせていただきます。この件に関しましては、最年長である私が最初に口を開くべきだと思い、後輩たちには極力待ってもらいました。彼らの心遣いに感謝します。
東山さんは、近藤真彦さんが退所した後の、ジャニーズ事務所の“長男”として「最年長である私が最初に口を開くべきだ」と語っています。これは15日の日テレ『news zero』で、この問題に関するコメントを回避した櫻井翔さんを気遣っての発言と取れますし、実際そうなんでしょう。
でも、「後輩たちには極力待ってもらいました」って、これはおかしいと思いませんか? 名指しこそしていませんが「櫻井さんが15日に話さなかったのは、僕が待ったをかけていたんだ」という意味での発言だとしたら、それはテレビ朝日のキャスターが日テレのキャスターに待ったをかけたということであり、報道の自由の侵害にあたるのではないでしょうか。
「とんでもないこと今やってるんだよ。分かってるの?」という疑問を抱かざるを得なかったですね。いっそのこと、これを機に“キャスターごっこ”はみんな辞めたらどうかと思います。そもそも僕は、キャスターを名乗る人が民間企業のCMに出るような状況はおかしいと思っているので。
それはジャニーズ事務所に限った話ではなく、他のタレントキャスターも同じ。エンタメ番組であれば構いませんが、そのキャスターが伝えるニュース全体の信ぴょう性が低下します。
メディア・音楽団体は共同声明を
繰り返しになりますが、今回の問題は一事務所だけのことではありません。このタイミングで、朝日、読売、毎日といった大手新聞社、テレビのキー局、さらに音楽業界4団体が共同声明を出すべきです。そうしないと、この国のエンターテインメントビジネスの地盤沈下は避けられないと僕は思っています。すでに液状化しているぐらいのイメージです。
僕もその末端にいる人間として、大変な危惧を抱いています。スピーディーな解決も誠意のうちです。藤島ジュリー景子社長の英断を求めます。