映画「リスタートはただいまのあとで」(9月4日公開)の記者会見と完成披露舞台挨拶が3日、東京のユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、ダブル主演の古川雄輝、竜星涼、メガホンをとった井上竜太監督が出席。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、無観客で報道陣向けの記者会見と、観客のみを入れた完成披露舞台挨拶がそれぞれ行われた。

 本作は、職場で上司に人間性を否定され、会社を辞めて10年ぶりに田舎に戻った光臣(古川)と、長野県で農園を営んでいる熊井じいちゃんの養子で、ふさぎこんでいる光臣を励まし、心の痛みに寄り添う優しい大和(竜星)が、“そのままの自分”を受け入れてくれるお互いの存在の大きさに気付き、次第に惹かれていく心模様が描かれる癒し系純愛BL映画。

 今回、初共演だったという古川と竜星は、お互いの印象を聞かれると、古川に“知的でクール”という印象を抱いていたという竜星は「現場に入っていくと、監督とディスカッションして、作品の中でも、撮影が終わったあとでも親身に話をなされている姿を見て、ハートは情熱的な方なのかなという印象を受けました」と答え、“竜星はイメージ通り”と答えた古川は「“男”って感じの、男性から見てもかっこいいなと思うような印象だったんですけど、実際も男らしい方で、大和を演じているときは漫画から飛び出てきたかのような感じでそっくりで、僕が演じている光臣という役は(竜星の)芝居を受ける側だったので、非常にお芝居もしやすくて、素晴らしいと思いました」と絶賛した。

 また、初めて脚本を読んだ際の感想を求められると、古川は「BLという部分が注目されてしまうと思うんですけど、どちらかというと純愛映画だなという印象を持ちました」といい、「同性として好きになるというよりも、自分の性格と違う、魅力的な大和に人として好きになる映画なんだなというのと、家族愛などいろんな愛が描かれているので、普通のBL映画とは違うのかなと思います」とコメント。LGBTなどが描かれている映画もよく見るという竜星は「自分がこのような役を演じることはなかったので、すごく挑戦し甲斐があるなと思ったのと、“人を好きになるというのはこういうことなのかな”っていうことを思い起こさせてくれて、性別を超えたラブストーリーだと思いました」と語った。

 そんな本作をどう作り上げていったか尋ねられた井上監督は、10年前に古川が芸能界に入るキッカケとなったオーディションを手伝っていたことを明かし「そのときから魅力的だなと思っていて、いつかご一緒したいと思っていまして、今回、初監督作品でご一緒させていただいたんですけど、現場でいろいろと助けていただいて感謝しています」と頭を下げ、「竜星君はいろんな作品を見て、魅力的な方だなと思っておりまして、今回の大和という役は難しい役ですし、今までとはイメージが違う、かわいい弟キャラだったので、それで髪の毛を下ろしてくださいって話をしたんですけど、大和を非常に魅力的に演じてくださったので感謝しています」と笑顔で語った。

 改めて、本作を見た感想を聞かれると、古川は「ほっこりする映画だなと思って、ただのBL映画というより、癒される映画だなと思いました」と吐露し、竜星は「素敵な長野の風景と一緒に二人の物語が描かれているので、景色も物語もとてもきれいだったし、見応えがあるんじゃないかなと思います」とニッコリ。

 さらに、予告編で公開された2人のキスシーンも話題となったが、別の作品で男性とのキスは経験済みという古川は「非常にやりやすかったです。竜星君はすごくきれいな顔をしているので、キスしやすいなと思いました(笑)」と吐露し、竜星は「すごく柔らかかったです」とコメントして会場を沸かせ、「男性ながらドキドキしましたよ。寝ているので“いつされるんだろう”と思いながら…」と回顧。実際に同シーンを見た感想を追求されると、竜星は「とてもきれいだったんじゃないでしょうか(笑)」と照れ笑いを浮かべ、古川は「照明とかも含めて幻想的なシーンになっていて、なるべくきれいなキスシーンになったらいいなと思っていたので、それを心がけながらやりました」と満足気な表情を浮かべた。

 その後、記者会見後の舞台挨拶に登壇した古川は、1席空けて着席するなど、感染拡大防止策にご協力いただいている観客を見て「ソーシャルディスタンスは取られていますが、こうやってたくさんの方々と久しぶりにお会いできて、いま嬉しいです」と目を輝かせ、竜星も「こうやってお客さんが舞台挨拶に来てくださって、今までは当たり前のことでしたけど、今は舞台挨拶というものもできない状況の中で、来てくださったことに幸せを感じます」と感慨深げに語った。

 また、古川から「基本的に性格が正反対で、(竜星が)積極的で地元の方々と飲みに行ったりして、僕はホテルに帰っちゃうみたいな」と暴露された竜星は、「温泉街で撮影をしていたんですけど、僕は温泉が大好きなので、毎日温泉に浸かりながら、そして美味しい信州の馬肉を、知らないお店に行って食べて、そこのスタッフや大将と仲良くなって、それが輪になって気付いたらおじさん4・5人が毎日飲んでいるみたいな…。不思議な光景でしたね」と告白。加えて竜星は「僕は役柄が田舎育ちの青年なので、地元の人をまず知って、地元民になろうと。だから、役作りの一環で、僕は地元の人たちと一緒にご飯を食べたり、お酒を飲んでいたので、決して僕だけが遊んでいるわけではなく、仕事が終わっても役作りを一生懸命やっていました」とコメントをして、観客の笑いを誘った。

 さらに、本作の内容にちなみ、うまくいかないときにどう気持ちの対応をしているか質問されると、古川は「今回もそうなんですけど、諦めずにちゃんと話せば、絶対にいい方向に行くと思うので、自分からコミュニケーションをとったりして解決しようとしますけど、それで解決できないものは、家に帰ってお酒を飲んじゃいます」と正直に答えて笑わせ、竜星は「僕は根が明るいタイプなので、クヨクヨしないといいますか、寝ちゃえば忘れる、よくできた人間なんです(笑)」と胸を張り、「悩んでいる方とかにアドバイスをしたいんですけど、なかなかそれができないので、逆に僕に相談してくれたら明るくなると思います」と笑顔を見せた。

映画『リスタートはただいまのあとで』は9月4日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次公開

【関連動画】
・映画『リスタートはただいまのあとで』特報

・ドラマ『悪の波動 殺人分析班スピンオフ』古川雄輝インタビュー

・映画『22年目の告白 』竜星涼インタビュー

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