🔴 雨音はショパンの調べ -I LIKE CHOPIN-

【櫻井敦司】
作詞:MAZZOLINI PAUL
作曲:GIOMBINI PIERLUIGI

耳をふさぐ 指をくぐり
心 痺(シビ)らす 甘い調べ
止めて あのショパン
彼には もう会えないの
Rainy Days 断ち切れず 窓を叩かないで
Rainy Days 気休めは麻薬 Ah

ひざの上に ほほをのせて
「好き」とつぶやく 雨の調べ
やめて そのショパン
想い出なら いらないわ
Rainy Days 特別の人でなくなるまで
Rainy Days 暗号のピアノ Ah

Rainy Days 断ち切れず 影にふり返れば
Rainy Days たそがれの部屋は Ah
Rainy Days 特別の人は 胸に生きて
Rainy Days 合鍵を回す ショパン Ah

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【EXPLOSION 愛の惑星 Live 2004】

アンコールのハードな滑り出し「惑星」。

ソロ・プロジェクトの主題を
燃え上がらせた櫻井敦司は、
次の楽曲から、
少しノスタルジックに浸るような
展開を魅せてくれる。

これは、ひょっとすると

櫻井敦司の“唄い人”のルーツとも言える
セット・リストと言えるだろう。

勿論、ここでも仕掛け人の

デレクター田中淳一の影が見える。
そういった、ルーツを披露する中に、

素顔の櫻井を探し出す旅へ誘うかのように…。

いずれにしろ、次の楽曲が、櫻井敦司の唄で聴けたことに感謝すべきであろう。

そして、このソロ・プロジェクトの中で、一番の意外性を示した楽曲でもある。

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🔴「雨音はショパンの調べ -I LIKE CHOPIN-」

この「雨音はショパンの調べ」には

英語詞の原曲があり、
いわゆる和製カバー・ソングである。
その原曲は、

作詞・作曲・歌唱ともども
ガゼボ(Paul Mazzolini del Gazebo)によるもので、

そのタイトルが、日本語盤のサブ・タイトルにもなった「I Like Chopin」。

日本語盤のタイトルにも具体的に明記されている通り、
中世の音楽家フレデリック・ショパンを
モチーフにしたピアノ・バーラードである。

クラッシックとポピュラーの融合を見たガボゼの美しいメロディが素晴らしい。

ガボゼは、イタリアの歌手で、デビュー前にパンクバンドを組んだ後、1982年にデビュー。

1983年にこの「I Like Chopin」が
ヨーロッパ各国のチャートを
にぎわせたことをきっかけに
世界中で大ヒットを記録した。

1980年代にポップスとダンスミュージックのジャンルで活躍している。

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小林麻美は、この「雨音はショパンの調べ」のヴィデオ・クリップのイメージのまま、
ワンレングス、陰のある表情、細い身体、柳腰、寡黙だが力のある眼などが特徴的で、
都会的でアンニュイな雰囲気で人気を得た。

女優業の方は、1970年代後半からテレビドラマに多数出演していたが、

1980年に、鬼才名優:松田優作に懇願されて出演した映画『野獣死すべし』で

ブレイクし、
唯一、映画『真夜中の招待状』で主演を果たした。

また、ユーミンにとっても「松任谷由実」名義で他人に提供した作品で初の1位獲得となった。

尚、松任谷由実が自身のアルバム

『Yuming Compositions: FACES』でも

この「雨音はショパンの調べ」を

セルフカバーをしている。

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このアンニュイな大人の女性の魅力を

🔴 櫻井敦司が表現する。

ある意味では、男性的、
ある意味では、
女性的な不思議な表情を見せる櫻井だが、
この中性的(もしくは両性的)な
雰囲気が、
独特なアンヴィエントなアレンジの この

「雨音はショパンの調べ -I LIKE CHOPIN-」を
奏でる

【EXPLOSION 愛の惑星】で、

雨の中の櫻井敦司を映し出す。

櫻井敦司はまるで、
雨乞いをするような仕草をみせて

「藤井麻輝、雨を降らせて……」

と今回の特設スペシャル・バンドのリーダーにオーダーし、

「猫」で使用した椅子に腰掛ける。

藤井麻輝は、櫻井のオーダーに応えてアンヴィエントな“雨”を降らせる。

そうして始まる

「雨音はショパンの調べ -I LIKE CHOPIN-」

女性ヴォーカルの唄声が、ユニゾンで櫻井敦司の唄声に被さる。

「耳をふさぐ 指をくぐり
 心 痺らす 甘い調べ」

雨の音が、ピアノの調べのように奏でられる独りの部屋。

女の泣き声が聞こえてくるようなこの楽曲も、櫻井敦司の独特な低音で、
味わい深く心に浸みてくる。

「Rainy Days 断ち切れず 窓を叩かないで
 Rainy Days 気休めは麻薬 Ah」

優しい雨が、窓をノックする。
この部屋に来るはずのない、あの人がノックするように…。

それは、夢か…幻か…。

あのショパンを…、と・め・て…。

哀しいが、いい詞だ。

この後に続く、
大物シンガーのカバー・ソングとも繋がっていくような…、

そんな、別れの唄。

女性の気持ちを唄う櫻井敦司は、
歌手としての真価が問われているようだ。

「Rainy Days 断ち切れず 影にふり返れば
 Rainy Days たそがれの部屋は Ah」

幻想的な月の下で、
ジェイクの奏でるアコースティックのソロと
重なり合う三代堅と松田知大(WRENCH)ダブル・ベースが、アンニュイだ。

霧雨のようなスモークが、ステージを更にアンヴィエントに演出する。

「Rainy Days 特別の人は 胸に生きて
 Rainy Days 合鍵を回す ショパン Ah」

お互いの為の別れ、そんな別れもある。
しかし、その“愛の残骸”は、
しっかりとこの胸に残る。
そこは、私の“密室”、“愛の惑星”。
この“密室”の合鍵は、雨の音。

ショパンの調べ。

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