10月20日夜9時から、NHKスペシャル『ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』が放送された。 『ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』は、被害申告者が1000人に及ぶほど加害行為を行なってきた、ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏(享年87)と、それを隠蔽してきたジャニー氏の姉“メリー喜多川”こと藤島メリー泰子氏(享年93)――彼らが生まれてから亡くなるまでに迫ったドキュメンタリー。
ジャニーズ事務所のマスコミへの圧力のかけ方、同社への忖度がどのように生まれていったかなど、当時の事情を知る人物たちの肉声で構成された、非常に踏み込んだ内容の番組だった。
「『NHKスペシャル(以下、Nスペ)』の内容は、NHKの社会部の意気込みを感じさせるものでした。元NHKの理事で、現在は旧ジャニーズの新会社STARTO ENTERTAINMENTの顧問を務めている若泉久朗氏――もともとは身内の功労者である人物にも直撃取材を敢行し、そこでの緊張感あるやり取りも放送されていましたね。
また、元テレビ東京プロデューサーで、現在は桜美林大学教授の田淵俊彦氏など、複数の人物が、メリー氏から圧力をかけられた具体的なエピソードを証言する場面もありました。
しかし、何よりも視聴者に絶大なインパクトを与え、SNSも大炎上したのが、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)の被害者遺族に対する対応と、その際の電話でのやり取りです」(ワイドショー関係者)
今回の『Nスペ』には、ジャニー氏の被害者で初代『ジャニーズ』のメンバー・中谷良さん(享年74/21年没)の姉・幸子さんも登場していた。
中谷さんは、週刊誌などでジャニー氏の加害行為が追及される前の1989年10月の著書『ジャニーズの逆襲』( データハウス社)で、《いたいけな少年がもうこれ以上被害を受けないように、これを早く社会問題として取り上げて欲しいと思います》と被害を告発。非常に意義のある出版だったことは間違いない。
SMILE-UP.は『Nスペ』の取材に「いわゆる“暴露本”を出版したことをもって補償対象としないという方針は有していない」と回答していたのだが、幸子さんへの電話時には“補償はしない”というスタンスだったのでは、と思わせる発言をしていたのだ。
「幸子さんは『Nスペ』の取材に対して、弟の代わりに補償申告をしたところ、最初は“ジャニーが悪い”と平謝りで対応してくれたがかなり時間が経った後に“社内で、ジャニーズに反抗するような本を出している人にお金は出せないという話になった”という返事があったことを告白。
その後、幸子さんが担当のSMILE-UP.の補償本部本部長と電話でやり取りするシーンがあったのですが、それがあまりにも酷くて……」(前同)
幸子さんは「お金はいい」と前置きし、どのように弟・良さんに謝罪してくれるのかをSMILE-UP.に問い合わせたのだが、それに対する補償本部本部長の答えは、以下のようなものだった。
「誰が何を謝るんだというのが、ちょっと今分からなくて。その、本人たちが死んじゃってるんで」(本部長、以下同)
「被害者の方々に東山(東山紀之社長/58)が会う時は謝罪をしているんですけれど。おっしゃっていることは分かるけど、本を書かれて痛めつけられたのは間違いないんで。会社としては、すごくつらい目にあったのは間違いないんで」
「(幸子さんのそんなに本の影響があったのか、という問いに)僕、その時期のことは知らないんで。そこで謝罪はないと言われたら、じゃあ謝罪すれば良いのかな、としか今ちょっと思えなくて」
「それ(墓前への謝罪は)東山がするの?」
「何で東山が(良さんの墓前で謝罪)しなきゃいけないのか、僕わかんないんですよ。“メリーが謝れ“”ジャニーが謝れ“だったら分かるけど」
「(東山氏が現在の会社の代表では、と指摘されて)東山は別に加害者じゃないですからね。心の底からお詫びができないんで。今の話聞いてると(略)ちょっと僕は納得いってないですね。今後も含めて、ちょっと東山と相談してみますけれど」
最終的に東山氏は幸子さんと面会し、ジャニー氏の加害について謝罪したということだが、本部長の「するの?」「~なんで」などタメ口混じりの口調や、会社も暴露本の被害者であるかのような物言いなど、多くの点について批判の声が殺到。
《ファンから見ても補償本部本部長の対応は不誠実極まりないし、ここのところの事務所の風潮からももうオタクとして「ずっとそこで輝いて」とは言えなくなってるよ…そんなのエンタメ事務所として終わってるじゃん》
《スマイルアップの補償本部長らしき人、役職の実を疑うどころか社会人経験すらまともにないレベルの喋り方だったああやって話にならないような人を窓口に据えておけば諦めさせられるとでも思ってるぐらいひどかったな》
《いやぁこれは…改めて見てもあまりにも胸糞すぎる…(加工されているが)声の感じからして20~30代の若手社員こういう認識でしかない人を補償本部長で電話対応させてる事がそもそもアウト補償も何も「ウチが被害者」って意識なんだもの話にならんわ》
といった多くの憤りの声が寄せられているのだ。