7月28日(土)に放送されるドラマ「スーパープレミアム『悪魔が来りて笛を吹く』」(夜9:00-11:00、NHK BSプレミアム)」。同作は横溝正史による同名小説のドラマ化で、横溝作品では珍しく東京の元華族屋敷を舞台としたミステリー。吉田照幸監督にインタビューを行い、作品への思いや「富士ファミリー」シリーズ(2016年ほか、NHK総合)でタッグを組んだ金田一耕助役・吉岡秀隆とのエピソードなどを聞いた。■ 血が通った金田一を作りたい──これまで何度も映像化されている金田一シリーズですが、今回はどのような作品を目指しましたか?長谷川博己さんが金田一を演じた2016年放送の「獄門島」でも監督をさせていただきましたが、今回の金田一は「バットマン」が「ダークナイト」シリーズになったように、市川崑さんのイメージから少し離れた現代的な金田一を描ければと思って始めました。「獄門島」を作った時のテーマは“狂気”だったのですが、今回は家族の物語。しかも吉岡さんが金田一を演じられるということで、人間の業(ごう)や悲しさ、やさしさなど血が通った金田一を作りたいと思いました。──数ある金田一作品の中から「悪魔が来りて笛を吹く」を選んだ理由を教えてください。正直に言うと「獄門島」をやった時には2作目があるとは思っていなくて…。物語のラストで金田一宛に届く電報に 「悪魔が来りて笛を吹く」と書いたのですが、理由はプロデューサー的にインパクトがあったから書いただけだったという…(笑)。でも、原作の時系列的には「獄門島」の次は「悪魔が来りて笛を吹く」なんですよね。だからお楽しみ的な感じで書いてしまいましたが、続編をやるなら「悪魔が来りて笛を吹く」しかないなと。それに原作のシリーズでは片田舎のイメージが強いけど、今回は舞台が東京。その点も前とは違うものを作るにはいいかなと思いました。金田一といえば“謎解き”がメインになると思うのですが、吉岡さんが主演に決まってから台本を“謎解き”から“人間ドラマ”に寄せるために書き直したんですよね。「悪魔が来りて笛を吹く」は複雑な人間模様が繰り広げられるので、そこにもぴったりハマったかなと思います。■ 「どこまでいくんだろう?」って客観的に見てしまいました──今もなお幅広い世代から愛される金田一ですが、どんなところが魅力だと思いますか?単純に本(原作)の謎解きが面白いというのはあると思いますが、なんか愛しちゃうところでしょうかね。振り回され具合とか、必死さとか…。例えばシャーロック・ホームズは頭がいいから周りの人には理解できないまま進んでいくけど、金田一は何とかしようと頑張っている。その感じに共感できるんじゃないかな。今回の吉岡さんを見ていて特にそう思いました。──吉岡さんのために台本を書き直したとおっしゃっていましたが、吉岡さんとのエピソードはなにかありますか?ラスト30ページくらいの長いせりふがあって…。吉岡さんをいじめるために書き直したわけではないんですけどね(笑)。ただ謎解きをガーっと話すのではなく、相手の気持ちを受け止めた上でそういう言い方をするんじゃないかなと思って書きました。その30ページくらいを2日間に分けて撮る予定だったのですが、吉岡さんの演技があまりにもよくて…。本当はカットをかけなきゃいけないところでかけずにいたら、最後までいきかけてたんですけど、テープが先に終わってしまい、しょうがなくカットをかけました(笑)。本当に膨大な量だったので、普通だったら1日目の分だけ覚えると思うんです。だから完璧に全部のせりふが入っていたということにすごく驚きました。もう「どこまでいくんだろう?」って客観的に見てしまいました。──最後に見どころを教えてください。役者さんたちが全てにおいて100%のパフォーマンスをしてくださいました。今までで一番面白い金田一になったんじゃないかと思います。(ザテレビジョン)https://news.walkerplus.com/article/156164/

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