演劇界で注目を集める気鋭の演出家・加藤拓也が監督し、門脇麦が主演を務める『ほつれる』。この映画より、門脇演じる人妻が、目の前で恋人(染谷将太)が交通事故に遭遇するシーンを捉えた本編映像が解禁となった。
綿子(門脇麦)と夫・文則(田村健太郎)の関係は冷め切っていた。綿子は友人の紹介で知り合った木村(染谷将太)とも頻繁に会うようになっていたが、あるとき木村は綿子の目の前で事故に遭い、帰らぬ人となってしまう。心の支えとなっていた木村の死を受け入れることができないまま変わらない日常を過ごす綿子は、揺れ動く心を抱え、木村との思い出の地をたどる…。過去を振り返るうち、綿子は夫や周囲の人々、そして自分自身と、ゆっくりと向き合っていくことになる。 人はどれほど、自らの抱える問題に正面から向き合うことができているのか。目をそらしていた問題と向き合おうとするとき、 人はどんな表情をしているのか。目をそらしていた現実を突きつけられ、苦しみながらもゆっくりと答えへと向かう綿子の歩 みが観る者の心を掴む。
主人公・綿子を演じるのは、『愛の渦』(14年)、『あのこは貴族』(21年)などで注目を集め、話題作への出演が続く門 脇麦。日本映画界で存在感を放ち続ける門脇が、全シーンを通してカメラが捉える綿子の揺れる心の機微を、繊細な佇まいで演じ上げる。夫・文則には、舞台・映画・ドラマとマルチに活躍する田村健太郎が高い演技力で魅せる。さらに、その存在が大きな転回点となる木村を染谷将太、綿子の親友を黒木華が演じるなど、実力派俳優陣が集結。監督をつとめるのは、「もはやしずか」「ザ・ウェルキン」で第30回読売演劇大賞優秀演出家賞、「ドードーが落下する」で第67回岸田國士戯曲賞を受賞するなど演劇界で注目を集める気鋭の演出家・加藤拓也。本作は、昨年公開され、そのリアリティ溢れるセリフまわしで観客の心を揺さぶり、演出家としての手腕を見せつけた初長編映画『わたし達はおとな』を経て臨んだ、オリジナル脚本・長編監督映画2作目。ある出来事をきっかけに、夫や周囲の人々、そして自分自身とゆっくりと向き合っていくひとりの女性の姿を捉える。
解禁となった本編映像は木村(染谷将太)と綿子(門脇麦)が食事を終え、別れるシーンから幕を開ける。「じゃあ俺タクシーあっちで拾ってくから」「うん、木曜日ね」小さく手を振りお店の前で別れ、背を向けて歩きはじめる綿子。すれ違いの続く夫・文則へ電話をする最中、背後から衝突音が響き渡る。夫の会話を止め、振り返ると、路上に倒れ込む木村の姿が見える。とっさに通報し、「救急車をお願いします。車と人です。場所は…」と話したまま言葉を詰まらせ電話を切る。事故現場での倒れる木村を目前にしながら、その場から立ち去る綿子の複雑な心情を、目が離せないワンカット映像で見せる。見えない表情のま ま歩き続ける綿子演じる門脇麦の、緊迫感あふれる本編映像となっている。
映画『ほつれる』は2023年9月8日より新宿ピカデリーほかにて全国公開
監督・脚本:加藤拓也
門脇麦、田村健太郎、黒木華、古舘寛治、安藤聖、佐藤ケイ、金子岳憲、秋元龍太朗、安川まり、染谷将太
配給:ビターズ・エンド
(C) 2023「ほつれる」製作委員会&COMME DES CINÉMAS
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