10月23日、藤岡真威人(20)が主演、加藤小夏(25)がヒロイン役の連続ドラマ『ウイングマン』(テレビ東京系/火曜深夜0時30分~)の第1話が放送された。

 ドラマ『ウイングマン』は、特撮愛好家でもある漫画家・桂正和氏の連載デビュー作であり、1983年から85年にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された同名漫画の実写化作品。

 藤岡が演じる主人公・広野健太は、自分が考案したヒーロー・ウイングマンの衣装を手作りするほどの、特撮ヒーローが大好きな高校生。彼が異次元世界ポドリムスから来た謎の美少女アオイ(加藤)と出会い、彼女が手にしていた「ドリムノート」によって本当に変身できるようになり、次々と迫り来る刺客と戦うことに――という物語である。

 本作は30分枠の深夜ドラマだが、原作のネームバリューとさまざまな要素から、主に特撮好きの間で放送前から強い注目を集めていたドラマ。初回はXでトレンド1位も記録と、絶好のスタートダッシュを切った。

 以下、本作が話題沸騰となっている理由を、主に特撮ファンの目線から解説していく。 実写ドラマ『ウイングマン』が沸騰しているワケ――まず1つ目の理由として、本作の主演を務める藤岡真威人は、特撮ファンにとって説明不用の存在である藤岡弘、(78)――初代『仮面ライダー』(1971)で“本郷猛/仮面ライダー1号”を演じた名俳優の息子であるため、その時点で多くの特撮ファンが注目していた。

 これまでも真威人は父親譲りの端正なルックスやアクションの実力を見せてきたが、本作でもそれは健在。少しだけ演技がたどたどしい場面もあったが、“ヒーローに憧れる未熟な高校生”という設定とかみ合っていて、違和感はない。

「チェイング」(変身)する際のポージングのキレや目力は、特撮俳優として最高だった。「子どもの頃からずっとヒーローになるのが夢だった」という劇中の台詞も、彼の父親が藤岡弘、だと思うと、説得力が段違いである。

 ちなみに、真威人が2021年公開の映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』にて、父・弘、指導の下で“1971年当時の本郷猛/仮面ライダー1号”を演じている。そこで完璧なアクションを披露した前例も、本作が放送前から特撮ファンの間で注目を集めていた要因だろう。 次に、『ウイングマン』が話題になっている2つ目の理由は、ニチアサ、つまり『仮面ライダー』と『スーパー戦隊シリーズ』が好きな人に刺さりやすい小道具やロケ地などの演出だ。

 原作『ウイングマン』は桂氏の趣味もあり特撮関連の小ネタが多い作品だが、ドラマ版では協力に石森プロ、東映、さらにバンダイが入っているだけあって、こちらも豊富に小ネタが仕込まれている。

 会話の中に特撮作品の名前、技名が出るだけでなく、主人公の部屋は『戦隊』と『仮面ライダー』のロボや変身ベルト、フィギュアにポスターと公式グッズまみれ。一時停止して、何が飾られているのかを確認したくなる楽しさがあるのだ。

 また、第1話はウイングマンが初めて悪役と戦う場面の直前で終わったが、ウイングマンのスーツや、CGを駆使した変身シーンは、まさに王道の東映ヒーローを彷彿とさせるものであり、特撮ファンが求めている最適解をぶつけてきた感じだ。

 さらに言うと、ロケ地がさいたまスーパーアリーナ――特撮でよく使われる有名な撮影スポットであることも《いつもの撮影場所だ!》と、ファンを喜ばせている。すでに出ている情報では、栃木県の「岩船山中腹採石場跡」というやはり特撮ファンにとって有名なロケ地で撮影が行なわれることも明らかになっているため、そういう部分でも特撮ファンのツボをついた作品なのだ。

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